「産霊(ムスヒ、ムスビ)」の6 月

2011/04/25

今年2度目の危険月は「6月」。この「6月」は「むすび」と呼ばれる月。安岡正篤先生の『安岡正篤一日一言』にはこの「むすび」についてこう書かれている。

いかに死すべきかということは唯、死を願う消極的な心ではない。
いうまでもなく、ある偉大な感激の対象を求めて、それに向かって没我的になって行く。
己を忘れ、あるいは己をなげうつべきある偉大なる感激の対象を得る生活であります。
我々が喜んで、勇んで、己を空(むな)しうし、己を忘れて没入していくような、そうゆう感激の対象を得ることを、大和言葉では「むすび(産霊)」という。
日本精神を最も活き活きとつかむため、日本精神の真骨頭を把握するためには、この「むすび」ということを知ることが、根本の問題であります。

この大和言葉の「産霊(ムスビ、ムスヒ)」の力とは、天地万物を創成し、人や作物を産み出し、豊穣と繁栄をもたらすもので、多産による子孫繁栄、豊作による五穀豊穣、生産と技術による企業の繁栄、さらには国と国との結びつきによる平和をもたらす。「ムスヒ」とは「結び」で、さまざまなものを結びつけて、そこから生命や活力を産み出していく力。

安岡正篤先生は己を忘れて没入していき、この「産霊(ムスヒ、ムスビ)」と「結び」を知ることが重要と説いている。今、我が国の各分野のトップの方々に「保身」ばかりが目立つが、少しでもこの「むすび」の意味を理解して行動してくれれば「6月」の危険月は希望に満ちた明るい「日本のかたち」への始まりの月となるのだが?

40年前の『インフレ型モデル』に逆戻りする経営スタイル

2011/04/25

東日本大震災直後、小売業の棚からはコメ、飲料、インスタントラーメン、ヨーグルトなどが一瞬で消えた。放射性物質の拡散で今でもミネラルウオーターは入手困難。1970年代のオイル・ショック時に起きた「トイレットペーパー騒ぎ」以来、40年振りの「珍現象」。生産拠点の被災や輸送ルート寸断など供給サイドが原因だが、それ以上に入手できなくなるという需要サイドの不安心理が買い溜めという消費行動を起こし「家庭内在庫」を膨らましているためだろう。今、この家庭で起きていることが今後、企業でも起きる可能性が高い。いや、もう既に始まっているのかもしれない?

これまで「正しい」とされてきたトヨタの『カンバン方式』、シーズン途中に売れ筋をメーカーに発注するアパレルの『QR(クイック・レスポンス)・システム』、メーカー・流通業者(卸売業者)・小売業者など企業や組織の壁を越えて業務効率を最適化する『サプライチェーン・マネジメント』、更に一カ所にメーカーが「集中」する「企業城下町」のような「生産ピラミッド」、など「在庫圧縮」を目的とした「効率化」追求の各システムが今回の震災で裏目に出ている。

今、話題の計画停電も1974年の第一次オイルショック以来のことだが、企業の経営スタイルもモノがどんどん値上がりして入手し難かった40年前の『インフレモデル』に逆戻りする。その一番の変化は『在庫投資』。

インフレ期だった1970年代の製造業の在庫回転率は平均7.16回。それが80年代平均8.54回→90年代平均9.39回→2000年代10.45回と極限までまで在庫効率が進んでいた。仮に、09年の売上高をベースに、70年代平均の7.16回に在庫回転率が低下すると、在庫は2009年39.3兆円から53.2兆円へ+13.9兆円増加することになる(+35%増)。今すぐにこの水準まで増加するのは非現実的だとしても、長期的には「家庭内在庫」同様、部品が手に入らない不安心理から在庫増への方向に進むことは間違いないだろう。

「東日本大震災の影響で一時的に停滞するとみられる日本経済だが、復興需要が内需を下支えするほか、生産が徐々に上向き、輸出が回復。7〜9月期前期比年率+1.88%とプラス成長に戻り、10〜12月期同+4.59%と2011年後半にはプラス成長に復帰する見通し」というのが最近発表された民間調査機関43社の実質経済成長率の見立て。日経平均株価が、震災日の3月11日10254円→3月15日8227円→4月1日9822円と推移、下落幅2022円の8割近くまで短期間にリカバリーしているが、いつ発生するか分からない『復興需要』期待だけだろうか?
実はまだあまり表には出てきていないのが、こうした企業の「在庫投資」に対応して被災を免れたメーカーがフル操業しているとしたら、この短期間の株価リカバリーも容易に説明がつく最終需要回復にはまだまだ時間を要するため、完成品に近い製造業より、素材・部品などの川上メーカーには「在庫投資」の特需が続く可能性が高い。

映画「ウォール街2」が危険月と示唆する3月と6月

2011/03/20

続編「Wall Street 2」は2011年4月23日全米公開予定だが、日本ではその前の2月4日に公開される。全米公開の前に日本で公開されることも不思議だが、実はこの全米公開日も何度も延期されている。

当初、今から1年前の2010年2月全米公開予定だったが、4月21日に延期された。その後、この映画は秋があっているとの訳のわからない理由で9月24日に再延期され、その予定も今回の2011年4月23日まで再々延期されている。リーマン・ショック後、米景気が低迷するなか高額報酬を貪る米金融界の人々が命を狙われるなど金融機関に対する風当たりが強かったかもしれないが、実はこの映画の公開日に何かの合図が隠されているためではないか?との見方も世の中では根強い。

理由は、前作「Wall Street」は1987年12月11日に公開されたが、株価大暴落となった「ブラックマンデー」の1987年10月19日から約51日後の公開だったためだ。全米公開日の51日前は「2011年3月3日」だが、今回は前と後を逆に変更するかもしれないと考えると、51日後は「6月13日」。また、今回はこの「51日」という日数を変えてくるかもしれないが、とりあえず米公開日の51日前と51日後には注意しておくにこしたことはない。

これはある雑誌の原稿として、11年2月1日に送ったものだが、この続編「Wall Street 2」の全米公開日から推測した危険月の不吉な予告が「東日本巨大震災」と「福島原発事故」、更に3月15日には1一日の下落率が-14.5%とブラック・マンデー(1987年10月20日-14.9%下落)以来、過去第2位の下落率を記録する「ブラック・マンデー2」再現、というかたちで現実化してしまった。

今回の「東日本巨大地震」による津波の被災状況を映像で見ると、あまりの悲惨さに絶句します。被災地の皆様にはお見舞い申し上げるとともに、ご冥福をお祈り致します。

今回の巨大地震は2001年に起きた米国での9.11に匹敵する何か大きな転換のスタートになるような気がしています。映像で被害状況を見ていると、「奪い合いの時代」が終わり、「分かち合いの時代」に入ったことを改めて感じます。また、その様な生き方を日本に住む人々に問われており、その我々の生き方こそが良い時代への始まりかどうかを決めて行く将来なのかもしか知れません。

こんな時にこんなことを申し上げるのは恐縮ですが、立ち止まるの「止」という字は一歩進むことで「正」になり、今年の干支である「辛(かのと)」という字も一歩進むと「幸」になります。
被災地の皆さまが一歩進まれて、一刻も早く「正(正常化)」、「幸せ」となることをお祈りしております。

再々延期された「ウォール街2」が4 月23日ついに全米公開

2011/03/20

「要するに、皆さん、貪欲さというのは、もっといい言葉があるのかも知れませんが、ともかく「いいこと」なのです。貪欲は正しいものなのです。貪欲であるがゆえにきちんと結果が出ます。貪欲さがあるからこそ、発展を生み出す力が何かを明らかにでき、枝葉を切り払って、その本質に切り込めるのです。表れ方はいろいろあるでしょうが、ともかく貪欲であること。対象が命であれ、カネであれ、愛あるいは知識であれ、貪欲さが人間社会の上昇志向を支えて来たのです。そして、こうした貪欲のおかげで救われるのは…よく聞いてくださいよ、皆さん、テルダー製紙だけじゃないんです。もう一つ、今、同じように経営難に陥っている会社、アメリカ株式会社という名の会社もこれで救われるんです。ご清聴ありがとうございます」は徹底して己の個人的利益のために行動する投資家ゴードン・ゲッコーの演説。

「強欲は善」をキャッチフレーズに米金融機関の興隆を描いた映画「ウォール街」(1987年)の続編「ウォール街2」が前作同様、オリバー・ストーン監督、マイケル・ダグラス主演で2011年4月23日に米国で公開される。ダグラスが冷酷で強欲な投資家ゴードン・ゲッコーを演じた前作は、企業買収の仲介などを通じ金融機関が米経済に強大な影響力を持つようになった80年代を象徴的に描いた。微塵の隙もないファッションと特異な説得力を備えた彼に憧れて、金融界入りした証券マンも多いといわれるが、現在はその時とは逆に批判の的となっているのを見ると23年という時代の変化を感じざるを得ない。

新作はインサイダー取引の罪で服役後、出所したゲッコーがシャイア・ラブーフ演じる若手証券マンと組み、信用危機の到来を業界に警告することで生まれ変わるストーリー。前作でゲッコーに誘われ、インサイダー取引に手を染める若手を演じたチャーリー・シーンも出演する。

「米中間選挙と株価アノマリー」

2011/02/06

前米連邦準備制度理事会(FRB)議長のグリーンスパン氏(84)は12月16日、ワシントンでインタビューに応じ、「米経済には間違いなく勢いがある。10−12月(第4四半期)は良好なようだ。(今四半期の)成長率は3.5%以上になり得る。2011年は失業率が下がり始めるはずだ。同年末までに9%か8%台後半まで低下する可能性が最も高い」と語った。米国の第3四半期(7−9月)の実質国内総生産(GDP)は前期比年率2.5%の増加。小売売上高の伸びや失業保険申請件数の減少など最近の一連の経済指標は、米経済の勢いが増しつつあることを示唆している。

また、米ゴールドマン・サックス・グループの資産運用部門、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)のジム・オニール会長はブラジル、ロシア、インド、中国の新興4カ国を「BRICs」と命名し、新興国投資を一般に広めたことで有名だが、先週、「ブルームバーグ・サーベイランス」のインタビューに答え、「オバマ米大統領が12月、ブッシュ減税延長で共和党と合意したことを受け、ゼネラル・エレクトリックなど米国の企業やエコノミスト、消費者は来年の見通しに対する自信を強めた。年末に向け米経済成長が加速する一方、欧州はソブリン債危機の泥沼に陥り、中国など新興国は経済に大きなつけを残すインフレの急速な進行の抑制に苦しんでいるこの最新の『ニューノーマル(新たな標準)』は、米国がかなり好調な様相を示すというものだ。こうしたことを背景に、投資家は米国を見直している。いわゆる新興市場と米国の間での資本の全体的な配分の問題を提起している」との見方を示した。更に、米投資会社ブラックロックの主任株式ストラテジスト、ロバート・ドール氏も「米経済の改善と減税延長が先週決まったことにより、投資家がポートフォリオにおける米国株の比重を引き上げる根拠は強まった」とオニール氏の見方をサポートする意見を述べている。

実は、アメリカの中間選挙と株価にはアノマリーが存在する。過去60年の平均パフォーマンスは中間選挙の年が+5%、次の年の大統領選の前年は+17%、大統領選の年は+6%、大統領選の翌年は+5%で、中間選挙後の11月から投資するのが最も高パフォーマンスとなっている。中間選挙では野党が勝利することが多く、逆に選挙に負けた危機感から大統領選挙前年は選挙に勝つための景気対策が行われるというのが理由らしい。市場に影響力のあるこの3人はまさに「米中間選挙と株価アノマリー」通り、中間選挙次年(次の年の大統領選の前年)の高パフォーマンスを裏付ける発言をしている。

一方、日経平均騰落率を「干支(えと)」の「十干(じっかん)」で比べると、第1位は壬(みずのえ)「西暦末尾2」の年で戦後+28.2%、第2位が己(つちのと)「西暦末尾9」の年で同+17.8%、第3位が乙(きのと)「西暦末尾5」の年で同+17.5%。今2011年は辛(かのと)「西暦末尾1」の年で同+14.3%と第5位の平均レベル。ちなみに、昨2010年は庚(かのえ)「西暦末尾0」の年は-4.3%の第9位と低迷を暗示していたが、ほぼ過去の平均通りに株価は推移した。この「日経平均騰落率と「十干(じっかん)」通りならば、日経平均は2011年末11800円前後まで上昇と株式市場は久々に明るくなりそうだが、これも「米中間選挙と株価アノマリー」によるNYダウの上昇に助けられるためなのだろうか?政治も経済も株価も未だ戦後の米国依存体質は抜け切れていない日本の悲しい実態が浮き彫りになっている。

楽観ムードの株式市場に一人警告を発するバルチック海運指数

2011/02/06

2010年12月2日日経朝刊に「ばら積み船用船料低迷」の記事。内容は「鉄鉱石の最大輸入国である中国の買い控えが目立つ。1〜10月輸入量は前年比-2.2%減り、通年でも前年を下回る公算が大きい。資源大手と鉄鋼会社による10〜12月期の鉄鉱石価格交渉は引き下げで決着したが、前年の2倍を超す水準。2011年1〜3月期は再び上昇し、中国の買い控えが続く可能性が高い。ばら積み船の値動きを総合的に示すバルチック海運指数は11月30日、4営業日続落して2099となった。9月上旬に比べて30%低い」。

実はこのバルチック海運指数はリーマン・ショック以降、TOPIX(東証株価指数)の先行指標として重要な指標となっている。同指標のボトム08年12月8日663ポイントに対し、TOPIXのボトムは09年3月13日698、更に09年9月25日2163ポイントのボトムに対し、09年11月27日809がボトムと過去、TOPIXに対し2〜3カ月の先行指標。2010年は7月16日1700ポイントがボトムとなり、TOPIXもその2〜3カ月後の11月2日799でボトムを打ち、直近は909まで上昇した。

市場関係者は来年の「十干(じっかん)」と株価騰落率の過去データもあり楽観ムード一色になり始めているが、このTOPIX の 先行指標であるバルチック海運指数は9月2995をピークに12月1795まで-40%も調整し、今後の株式市場に何かを暗示し始めている?これまで通り、バルチック海運指数がTOPIXの先行指標として機能するのであれば、年末のTOPIXの水準は別として少なくとも2011年2月〜3月に底をつけにいく下落が待ち受けていることを示唆しているがどうなるだろ?証券会社はいつもの如く楽観的な予想のポジショントーク、その強気の予想に騙されて痛い目にあう投資家というのがいつもの風景だか、そうならないようにと一人冷静なバルチック海運指数は警告を発してくれている。

「FRBはすでに買われ過ぎの米国株を危険なほど割高な水準まで押し上げようとしている。相場は遠からず砕け散る」と資産運用大手GMOのジェレミー・グランサム氏は2010年11月11日、CNBCテレビで語った。1980年代末の日本株バブル、90年代末の米ITバブル、2007年末までの米住宅バブル。相場の天井をことごとく言い当ててきた伝説の老投資家である、グランサム氏は既に株を売り始め、「現金を多めに持ち、時期を待て」と論している。楽観的な「米中間選挙と株価アノマリー」と「日経平均騰落率と「干支(えと)」」対それを警告するバルチック海運指数とバブル崩壊を言い当てたジェレミー・グランサム氏の構図。今回もこの伝説の老投資家の「QE(量的金融緩和)バブル」崩壊は予言通りになるのだろうか? 今年も株価動向から目が離せない1年がスタートしている。

略奪・戦争で奪った石油の20世紀から愛とidea で満ち溢れた分かち合いの21世紀

2010/12/06

iPadを初め、iPod、iMacなど米アップル社の製品には皆「i」が付いているがこの「i」の意味は何なのだろう?デザイナーである「ジョナサン・アイブ」の名前「Ive」から取ったものらしいが、internet(インターネット)、individual (個人の、独特の)、instruct (教える)、inform (情報を提供する)、inspire (元気・ひらめきを与える)などの意味が込められている。
「アップルを知るために重要なことの一つは極めて協調して仕事をする会社だということ。アップルには内部団体が一つもない。スタートアップのような組織だ。世界最大のスタートアップ企業。毎朝3時間ミーティングをして、全てのビジネスについて、どこで何が起きているか情報交換をする。得意なのは課題をどう分割してチームに分担させるかを判断すること。チーム同士も話し合う。だから、私が一日中やっているのは、優秀な人々のチームと顔を合わせて話すこと。優秀な人々を集めるには彼らにアイデアを出させること。私もアイデアで貢献する。そうでなければここにはいない。」とジョブス氏は語る。このジョブス氏の発言から見て、実はこの「i」の本当の意味はideaの「i」であり、よりユーザーを喜ばせたいという「愛」なのかも知れない。閉塞感漂う日本で今まさに必要とされているのは米アップル社のこの「i」のキーワードかもしれない。
現在、アップル社の時価総額は約2742億ドル(約22兆4200億円)に膨らみ、米株式市場トップの米資源大手エクソンモービル社(約3311億ドル)と570億ドル(約4兆6600億円)の差に迫っている。過去1年間の米アップル社の株価上昇を考えれば追いつけない差ではなく、仮に米株式市場で米アップルが首位の座を米エクソンモービル社から奪うことができれば、それはこれまでの略奪・戦争で奪った石油の世紀が終焉し、「愛」と「idea」で満ち溢れた分かち合いの世紀が到来することを暗示する。通貨戦争・貿易戦争など各国が保守主義に陥り、紛争・戦争がいつ起きてもおかしくない最近の世界情勢を打破する意味でも、米アップル社の時価総額での首位奪取はどうしても達成してほしい事象であり、それは我々が望む平和な21世紀型未来への入り口になるだろう。

自動車の大衆化もたらした「T型フォード」と1世紀振りに重なる「iPad」

2010/12/06

10月13日の米株式市場で米アップル社の株価が初めて300ドルの大台に乗った。1年前の株価(2009年10月13日終値は190.02ドル)を58%上回り、この1年で時価総額を約1000億ドル(約8兆円)高めた計算になる。
1世紀前、開発以来20番目の意味である「T型フォード」は発売以来19年間、大きなモデルチェンジなく当時としては画期的な1500万台生産を記録。その「T型フォード」は自動車の大衆化をもたらしたが、「iPad」もあらゆる業界を変革させ、人々の生活を変革させるポテンシャルを投資家たちは「T型フォード」と重ね合わせたためではないだろうか?
5月26日、米ナスダック市場に上場する米アップル社の時価総額は終値ベースで2213億ドル(19兆9千億円)となり、米マイクロソフト社の2193億ドルを抜いてIT業界首位となった。Office2003からOffice2007と新しくなる度にどんどん使いづらくなるソフトを強引に売りつけて収益を稼ごうとする米マイクロソフト社に対し、「一番大切なものは変わっていない。いまも当時(創業時)と同じことを思って仕事をしている。それは最高の製品を作ること。知らない誰かからiPadがどんなにクールかというメールが届くことほどうれしいことはない。毎日こうしていられるのはそのお陰だ。当時も、今も、未来もそれは変わらない。」とジョブズ氏が語るようにユーザー志向を貫いていることがこの時価総額逆転の源泉となっている。

米アップル社がソニーを買収?

2010/12/06

10月26日、株式市場では米アップル社がソニーを買収するとの噂が拡がり、ソニー が後場上昇した。元ネタは月曜日の米投資情報誌バロンズ。「米アップル社は大規模な買収を考えている可能性がある。同社CEOスティーブ・ジョブズ氏はバランスシートにある510億ドル(4兆1000億円)の現金の使途をアナリストから質問されると、企業買収の可能性をほのめかした。候補企業の憶測が既に始まっており、ソフトウエア企業のアドビシステムズ、ソニー、ウォルト・ディズニーの名前が挙がっている。」がその記事の内容。
次の日の朝の経済TV番組で「あのベンチャー企業だった米アップル社が世界のソニーを買収するとは」と現在の米アップル社の実情をしらない解説者がコメントしていた。せめて「買収対象に巨大企業名がずらりと並ぶこの報道が仮に事実なら、もはやソニーはライバル会社という位置付けではなく、一コンテンツ企業としてしか評価していないことになる」ぐらいの解説はしてほしいものである。

「Misery index (悲惨指数)」10 %超での米中間選挙と株価アノマリー

2010/10/16

今11月7日にアメリカの中間選挙が行われる。過去60年の株価とのアノマリーは、中間選挙年の平均パフォーマンスが+5%、次の年の大統領選の前年は+17%、大統領選の年は+6%、大統領選の翌年は+5%。特に、中間選挙の年は1月から選挙のある11月までの平均パフォーマンスが+1.2%に留まるが、選挙終了から年末までが+3.2%と高パフォーマンスと中間選挙後の11月から投資するのが最も投資効率が良い。中間選挙では野党が勝つことが多く、逆に選挙に負けた危機感から大統領選挙の前年は選挙対策のための景気対策が行われるというのが理由らしい。
8割超の歴代最高支持率でスタートしたオバマ大統領も現在は50%を割り込み、また、失業率とインフレ率(消費者物価上昇率)を足した 「Misery index(悲惨指数)」もスタート時の7.63%から直近8月は米失業率9.6%、インフレ率1.15%と10.75に上昇している。同指数が10%を超えると「現政権の経済政策は間違っている」という国民の批判が高まり、政権継続が困難になると言われている。
1948年以降、「Misery index(悲惨指数)」が政権スタート時の水準から上昇して、かつ10%を超えた歴代大統領は、1969年1月20日- 1974年8月9日ニクソン政権、1974年8月9日- 1977年1月20日フォード政権、1977年1月20日- 1981年1月20日カーター政権、1989年1月20日-1993年1月20日父ブッシュ政権。いずれも満期8年の途中で政権交代しているが、オバマ政権もこの満期途中で政権交代する条件を満たした状態で中間選挙を迎える。インフレ期でもないのに「Misery index(悲惨指数)」が10%を超えているのは異常だが、中間選挙と株価とのアノマリーにも異常を引き起こす材料となるのか?NYダウは8月末9941ドルから9月末10886ドルと+9.5%上昇、9月相場としては1939年以来の上昇率と異常だが、株高による米中間選挙に向けた官民一体の米経済回復シナリオができている?

無責任内閣を示す「8 月景気ウォッチャー調査」

2010/10/16

内閣府が9月8日発表した「8月景気ウォッチャー調査」は7月に続き、異常な現象が出ている。「現状判断」と2-3カ月先を見る「先行き判断」は通常、方向が一致し、「先行き判断」が「現状判断」を上回るが、7月・8月と2カ月連続で「先行き判断」が「現状判断」を下回る珍しい現象。統計開始以来、この「先行き判断」-「現状判断」の差が-2%P以上拡大したのは03年3月-2.7%P、05年12月-2.1%P以来、今回が3回目。03年3月、05年12月の過去2回は景気のボトムかピークの大転換点となったが、今回は「現状判断」の水準からみて景気回復ピークを告げるシグナルとなる可能性が高い?15年振りの円高でリーマン・ショック後の最安値に近づいた日経平均は半年後に景気が大きく後退していることを警告しているが、景気・円高・株価の全ての対策に無為無策の菅政権。
米大手投信会社レグ・メイソンの会長でチーフ・インベスト・オフィサーでもあるビル・ミラー氏は「現在の弱い株式市場が弱い景気回復を反映しているのではなく、弱い株式市場が弱い経済を引き起こしている。すなわち景気の動向から株式市場を予測するのは間違いで、株式市場が景気の動向を予見する」と語っている。「マーケットが分からない政権はマーケットにしっぺ返しを食らう」とみんなの党の渡辺代表が語るように市場の声が理解できない政府が日本を滅ぼしていく。

孫氏が語る「夢」と「ビジョン」と「志高く」

2010/10/16

売上高約2兆7600億円、営業利益で国内3位の企業グループに成長したソフトバンク社長、孫正義氏が8月30日のカンブリア宮殿に再登場。16歳で決意して単身渡米した孫氏がスタジオに来ていた30名の高校生たちに当時を思い出しながら「夢」の重要性を語った。
「若いということは無限大の夢があって自分の持った夢に自分の人生は概ね比例する結果を生む。小さな夢だったらその夢の範囲の中で80%達成できるのか?50%達成できるのか?(だから)夢はできるだけでかい夢を持った方が良い。もう一つ重要なのは、夢を達成できる人とできない人の違いはその夢をどのくらい心の底から達成したいと思うか?強い決意と夢の達成に向かって恐ろしいまでの情熱で努力したか?夢の大きさは(世界一美味しいパンケーキを焼けるようになりたいなど)金額的に大きくなくても良い。夢を描くのが自分の人生に対するビジョン。自分の夢を明確に持てずに自分の人生に対するビジョンを持てずにただ生きていくために給料を貰いに行く。「でも現状それしか仕方ない」と言っている間に人生はあっという間に終わる。あっという間に50代、60代になる。現実はこうだから「夢物語ばかり語ってもダメ」「目先の現実を踏まえて」とか言っている人ほど現実の世界から逃れられないまま人生が終わる場合が多い。現実が厳しいからこそ自分の夢を、自分の人生に対するビジョンをしっかり持つべき。」と語った。そして最後に「志高く」と。
まさに閉塞感漂う今の日本にはこの「夢物語ばかり語ってもダメ」「目先の現実を踏まえて」か言って現実の世界から逃れられない人ばかりになっているのだろう。約20年間も続いた円高・株価下落、デフレ不況は政治家が悪いためと「他人のせいにする」のではなく、まずその政治家を選んだのは自分たちであると自覚して、我々大人が今からでも志高い「夢」と「ビジョン」を持ち、それを達成する情熱と努力が今こそ必要だ、と高校生へのメッセージを通して孫氏が一番伝えたかったことなのではないだろうか?

“ミスター円高”対日銀

2010/09/20

15年振りの円高・ドル安を受けて東京株式市場が年初来安値を更新した後の8月17日、あの“ミスター円”こと榊原元財務官はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「現時点で米政府は日本当局による介入を望んでいない。米当局は輸出促進のため、弱いドルの長期化をむしろ好んでいる。米国のサポートなくして、日本政府による市場介入は効果ない。日本の金融政策はすでに極めて緩和的であるため、一段の緩和が実際に為替相場に与える影響はそれほどない。早ければ9月末に1995年4月に付けた戦後最高値の79円75銭を突破する可能性がある。実質ベースで80円を突破した1995年と比較して円はそれほど強くない。現在の実効為替レートが80円だとしても極めて非常に弱い。95年の80円は、現在の60円または70円に比較できるだろうことから、現時点で85円ないしは80円だったとしてもそれほど懸念することではない」と60円〜70円までの円高誘導とも思える見方を述べた。
円高が続いた19日、産経新聞が「日銀が追加の金融緩和策の検討に着手する」と伝え、「14時から日銀が臨時の金融政策決定会合を開く」との噂が市場を駆け巡り、市場は昨年12月の日銀緩和策発表→急速な円安期待から円は85円90銭近辺まで下げ幅を拡大したが、結果的には噂だけで8月24日には15年振りの83円台まで円高が進んだ。ようやくお尻に火がついた日銀は8月30日、臨時の金融政策決定会合を開き、追加の金融緩和策を発表して一時は85円94銭まで円安が進んだものの、乏しい内容に加えタイミングを逸したことで失望感が強まり再度円高に転換して緩和策発表前の水準に逆戻り。市場は今回の日銀の緩和策の効果は小さく、同時に“ミスター円”こと榊原元財務官の見方が正しいこと支持したことになる。
09年9月末、円ドルが88円に突入したときも「ドルが対円で90円を割り込んでも財務省は懸念しないだろう。85円を割り込めば行動を検討する可能性がある。80円を下回る動きは異常と捉えられる可能性がある」と榊原元財務官は円高誘導とも思える発言をしている。元財務官・早大教授・民主党のブレーンと政権にパイプがある人物の「円高容認」とも思える発言を外国人が聞けば、日本政府・当局の内部情報と信頼してしまう。結果的には、09年11月に84円台まで円高が進行し、“ミスター円”ならぬ“ミスター円高”の本領を発揮したが、09年9月末に榊原氏発言→11月まで円高継続→日銀の緩和策発表の09年の流れを想定すれば、現在はまだ榊原氏の円高誘導発言の昨年9月末頃。今後、1〜2カ月はまだ円高が継続して異常な円高水準に達した後、日銀による円高阻止の意外な金融緩和策発表のスケジュールとなるのではないだろうか?日本マグドナルドは8月17日〜8月26日までの10日間限定で「ビッグマック」を単品200円に値下げすると発表したが、有名な「ビッグマック指数」では、従来の320円/3.57ドル=89.63円/ドルが200円/3.57ドル=56.0円/ドルと一時的にせよ“ミスター円高”の見方に近い60円割れの円高を示唆している。

菅首相の官主導よりオザワン力(腕力)に期待すべき時?

2010/09/20

8月26日、小沢一郎民主党前幹事長が代表選出馬を表明、菅代表への支持を表明していた鳩山前代表が小沢支持に転換した。小沢氏が勝っても負けても民主党分裂に発展、政局の不透明感も加わり、経済運営は一段と「視界不良」になると懸念されるなか、「小沢政権誕生、株高シナリオ」と題した外資系証券のレポートが市場で話題となった。「現状では世論の支持を受ける菅氏の勝利がメインシナリオ」としながらも、「菅氏が有利とみられるが、(選挙に強い)小沢氏にも勝機がある。小沢氏が勝利し、小沢内閣が発足すれば、内閣支持率はかなり低くなるだろう。内閣支持率が低迷する内閣は、支持率回復のために大型景気対策を打って出ることがある。また、その豪腕によって、日銀の大型金融緩和の実施、中国との経済関係の拡大などの政策の実現、さらに日銀法改正が検討されることもありえよう。」と株価上昇につながる可能性を指摘した。
15年振りの円高・ドル安を受けて東京株式市場が年初来安値を更新した12日に長野県軽井沢町の高級ホテルで夏休みを満喫しているような “無策の逃げ菅” 菅直人首相よりは剛腕・小沢氏へ「期待」したい金融界のフラストレーションをまとめたものと言えるだろう。「マーケットが分からない政権はマーケットにしっぺ返しを食らう」とみんなの党の渡辺代表が語るように、本気で市場が鳴らす警鐘に耳を研ぎ澄まさないと隙を容赦なく突いてくる市場の洗礼を受け、再度円高・株安に悩まされるに違いない。「後手後手」というタイミングの遅れは市場が最も喜ぶ売り材料だからである。
8月30日、マスコミは「どちらが首相にふさわしいか」の世論調査を実施し、菅首相6〜7割、小沢前幹事長1割台と国民は大差で菅首相を支持している。「政治とカネ」のイメージの強い小沢氏は国民に不人気なようだが、09年衆議院選挙で国民に約束したマニュフェストの根幹にあるものは『官僚主導の政治』をやめて『政治家主導の政治にしよう』を守ろうというのが主張。『20世紀型の役人依存政治』に戻ろうとしている菅政権よりは政策実行次第では意外と国民の支持を得られるかもしれない?「3年間を見てください。行政改革で新しい日本を作ります」と小沢グループのメンバーがコメントしていたが、それが本当に実現できるなら「無駄を省いて16兆円を捻出する」と大胆な発言を実行できるか小沢氏の実力を見てからでも無為無策の現政権よりはましと考えるほど政治家への期待値がどんどん低くなっている「政界のデフレ化」が浸透してしまっている。

「あなたの子どもはビーチャイですか?プアチャイですか?」

2010/09/20

「あなたの子どもはビーチャイですか?プアチャイですか?」と毎回、挑発的な決め台詞で混迷する日本社会に渇を入れる究極のホームドラマ「GOLD」が7月からスタートし、今9月に最終回を迎えた。
ビーチャイとは「ビューティフルチャイルド」の略で「他人の話を良く聞く、諦めない・投げ出さない強い心、言い訳をしない・ずるをしない、何より他人のせいにしない、心も体も美しい子ども」。プアチャイとは「プアーチャイルド」の略でビーチャイの逆の意味。産まれながらの「ビーチャイ」は1割しかおらず、逆に産まれながらの「プアチャイ」も1割。残りの8割は親や学校の教育次第でどちらにでもなり、特に小学校6年生までに「礼儀」や「我慢強さ」を徹底的に教え込むベースメイクが必要とドラマでは説く。
虐待、育児放棄、格差社会など子どもたちを取り巻く環境がどんどん複雑化しているのも、親を敬うことをしない子供、「はい」ではなく「うん」と返事する馴れ合いの親子関係と甘く育てる「ゆとり教育」によりこのベースメイクされないプアチャイを増殖させたことが原因。原作の野島伸司がこの「ビューティフルチャイルド」という子供教育を通して改めて問い直しているのは、我々親たち・大人たちの生き方?現在の円高・株安・デフレ不景気や無為無策を続ける政界も実は「他人の話を良く聞かない」、「諦める・投げ出す弱い心」、「言い訳をする・ずるをする」、「何より他人のせいにする」といった「プアチャイ」的生き方の大人が増殖した結果であり、それを警告するドラマなのかもしれない。

世界的な異常気候は自然界のニューノーマル

2010/08/14

最近、日本で起きるゲリラ豪雨もそうだが、世界各地で豪雨や干ばつなど天候異変が相次ぎ、経済や市民生活に影響が及んでいる。
中国では7月、豪雨で1億人以上が被災。農作物への被害も深刻で直接の経済損失は約1422億元(約1兆8300億円)に達する。一方、ロシアでは7月24日にモスクワの気温が7月として過去最高の36.7度を記録するなど記録的な猛暑と少雨に見舞われている。干ばつ被害が広がるロシアでは当局が南部と中部の穀倉地帯を中心に非常事態を宣言。ロシア農業省は今穀物年度(2010年7月〜11年6月)の小麦など穀物の予想収穫高を昨年度比-12%減の8500万トンに引き下げたが、さらに下方修正を迫られる見込み。ロシア穀物連盟の幹部は今年度の輸出量が2割減になる可能性を指摘。また、今が冬の南米南部は記録的な寒波に見舞われている。肺炎や暖房の不完全燃焼による一酸化炭素中毒など、寒波に起因する死者はアルゼンチンやペルー、ボリビアなどで計200人以上出ている模様。パラグアイ政府は21日、気温低下を背景に全土で約2000頭の牛が死んだと発表した。
このような天候異変の前兆は今4月、空港閉鎖・飛行制限に追いこんだアイスランドの噴火から始まっている。約80年間隔で起きるアイスランドの噴火(前回1918年)に過ぎないのだが、アイスランドの人々が今でも火山噴火を怖がるのは今から200年以上前の1783年6月に起きたラカギガル山の噴火の歴史。おびただしい量の火山ガスで大量の硫黄酸化物を含む霧となって大気中を漂い、一部は酸性雨となって水や植物を汚染、また、成層圏に昇った霧は北半球全体の空を覆い日射を遮断して深刻な飢饉を招いて、1783年以降、数年間でアイスランドの家畜50%と人口20%が失われたためである。実は江戸4大飢饉の一つで1783年8月、浅間山大噴火による異常気象が起こした日本近代史上最大の「天明の大飢饉(1782年〜1788年)」もこのアイスランドのラカギガル山噴火による火山ガスが関係しているとも言われている。アイスランドの噴火の動向だけでなく、日本の火山噴火には今後注意が必要である。
このような世界的な天候異変や投機的マネーの商品市場流入、メキシコ湾原油流出による米国農作物の影響懸念や保護貿易的主義台頭の中、日本政府は今9月末、コスト削減のために国内供給を安定させるための「国家備蓄方式」を廃止する方針。農水省はこれまで需要の1.8カ月分を保管し製粉会社に売却してきたが、10月1日からは輸入後すぐに売却する「即時販売方式」に変更、製粉各社は現行在庫15日分から少なくとも2.3カ月分に増やすことを迫られる。
中国、ロシア両国の農作物の収穫減予想でシカゴ市場の小麦先物相場は7月に入って2割超上昇、7月23日1ブッシェル5.9625ドルと09年6月以来の高水準に上昇。価格のボラティリティが強まり、今こそ国家が行うべき備蓄を実に最悪のタイミングで民間企業に任せる日本政府。また飽食の時代が長く続いたせいか「食糧危機」など非現実的と危機感ゼロの国民が大半。だが、現在は1000年振りの「トリプルデイト」。2001年1月1日「1-1-1」から始まり、2012年12月12日「12-12-12」までの12年間の「トリプルデイト」が終了して、本当の意味での21世紀が2013年から始まるため何が起きてもおかしくない。
「「大いなる安定期」から両極端な事象が起きるニューノーマル(新たな標準)の世界へ」は何も金融の世界に限ったことではなく、世界中で起きている最近の天候異変は自然界もこのニューノーマル(新たな標準)の世界に突入していることを示す現象。食糧自給率4割の日本が仮に天候異変で輸入食糧がストップすればまさに戦中時代にすぐに逆戻りするが、ニューノーマル(新たな標準)の世界はそのような両極端な事象が現実化することを意味する。いつも新しい時代の幕開けを告げる20年毎に行われる伊勢神宮の「式年遷宮」も2013年だが、モノやお金に囚われた20世紀人間、いやそのように戦後60年で変化してしまった日本人への警告だとしたら、我々はその食糧危機の入り口に立っているという自覚は勿論、その警告が我々に何を気がつかせようとしているか?にいち早く気づく生き方が問われているのかも知れない。

「大いなる安定期」から両極端な事象が起きるニューノーマル(新たな標準)の世界へ

2010/08/14

債券ファンド運用最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバル戦略アドバイザー、リチャード・クラリダ氏は「予見可能な政策と低インフレ、緩やかな景気サイクルが特徴だった1987年から2007年までの「大いなる安定期」は想定可能な事象範囲の平均が実際の結果につながるとの見方で利益を増やす投資ができた。しかし現在は両極端が起きる可能性が高くなっているニューノーマル(新たな標準)の世界。投資家は25年間、「大いなる安定」に安住してきたが、そうした時期は終わったといち早く気付くに越したことはない。金融危機とその影響は、過去の相関がもはや重要でないか誤解を招く恐れがあることを意味している。平均的に起きる事象よりも両極端な事象に伴うリターンないし損失の方が大きくなるため、ファンドマネジャーは一段と頻繁にポートフォリオを調整することになる」と21日掲載したPIMCOのウェブサイトで指摘している。
まさに今年は「大いなる安定」として知られる安定期が終わったことを象徴するジョットコースター相場。前の日の価格からかけ離れた価格で次の日スタートすることを「窓」を開けるというが、この「窓」を開け上昇・下落を繰り返しているのが今年の相場の特徴。今後は極端な事象を予期する能力に応じてリターンを生み出すことになるため、プロ・アマの区別どころか投資経験年数も過去の実績もリターンの差にはつながらない。極端な事象を予期する能力を有する極少数の投資家だけが大きなリターンを享受してゼロサムゲームの相場を制する時代を迎えている。

個人向け国債は「円天」と大差なし?

2010/07/08

財務省は6月初め、個人向け国債の新商品として3年満期の固定金利型国債「固定3」の募集を開始した。フリーペーパーには「国債を持てる男子は、女性にモテル!!・・・か!?」と題した大型広告を掲載。税収減を補うための国債供給が需要を上回るなか婚活若者に国債購入を訴える。広告には5人の女性が登場し、「未来の旦那様はお金に真面目な人がいい!遊び人はNGです」とその中の1人は語る。09年度末、国の債務残高は国債や借入金、政府短期証券を合わせて882兆9235億円と過去最大。6月8日実施した30年利付国債の入札では応札倍率が2.25倍と04年4月以来の低水準に終わっている。
その一方、予測が良く当たることで有名な投資家マーク・ファーバー氏は、6月9日、ソウルでのフォーラムで「紙幣の増刷が続いているため、向こう10年間は現金と債券の保有は『極めて危険』。金、銀でなければ、株式のほうがまだ良いだろう。株式相場は2009年3月に付けた安値まで下げる公算は小さい」との見通しを述べた。
財務省の今回の広告は「婚活男子」をターゲットにしたものだが、昨年8月には退職者をターゲットにしたキャンペーンを実施。どちらの広告も投資家を引き付けにはあまりに乏しい発想と言わざるをえないのが、将来をあまり知らない若者や高齢者のなかには「国を信用」して購入する人もいるのかも知れない?仮に、戦後の「軍票」のように近い将来、紙切れになることが分かって個人からお金を集めようとしているなら、2010年3月18日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)で懲役18年の実刑判決を言い渡された「円天」の主宰者と大差なし?国自体がこんな詐欺まがいなことを続けるているからオレオレ詐欺も当然いつまでも無くならない。

当たり前のように語られる消費税引き上げ論の愚

2010/07/08

7月11日投開票の参院選で公示前後からにわかに争点に浮上した消費税の増税問題。菅首相は「強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現する」ことを重要課題に位置づけて、強い財政の構築にはムダ削減が最優先とした上で「成長戦略を確実に実行し、税制改革が必要だ」と指摘。あらためて自らが6月17日のマニフェスト(政権公約)発表会見で表明した消費税引き上げ方針に言及し、消費税改革を「参院選終了後に議論を本格的にスタートさせる」とし、こうした方針は「公約と受けとめてもらっていい」と語った。また、6月21日の記者会見では、「消費税の引き上げ実施は早くてもこれから2─3年後になる」との見解を表明した。
朝日新聞社では菅内閣発足後、約1カ月間に5回の世論調査を連続で実施。この間、60%でスタートした内閣支持率はすでに39%に下落している。参院比例区の投票先でも民主に逆風が吹き始め、自民との差が縮まり、「10%発言」に端を発する菅直人首相の消費税問題への対応などにより、増税反対の人たちの離反が止まらない状況。
08年末に放送された年末特番「さんま・福澤のホンマでっか!?ニュース・スペシャル」で「消費税率は日本5%、英15%と欧米に比べ低すぎるというが、税収全体に占める消費税比率は日本21%、英22%と大差なし。全てに消費税がかかる日本と食品等かからない商品が多い英国では消費税1%の意味が違う」「消費税を97年3%→5%へ引き上げても財政赤字97年30兆円→2001年50兆円に増大。消費税引き上げでは財政再建につながらない」と本音を暴露。それなのに「欧米の消費税率に比べ低いから消費税引き上げても当たり前」、「財政赤字削減には消費税引き上げは必要」と語って世論を消費税引き上げ正当に傾ける政治家、コメンテーターは何も理解していないのか?それとも国民を騙そうとしている連中なのか?
財政危機に直面したギリシャは財政が厳しくなってきた2000年以降、法人税を40%から24%に引き下げる一方、消費税を18%から19%に引き上げたことにより国内需要は落ち込み、国内資金不足に陥っている。その政策の末路は、10年を経た今年「国庫不足でギリシャでは3月3日、消費税の引き上げ、石油、アルコール、タバコ税引き上げ、電気使用に対する税金引き上げ、公務員の給与引き下げ、が最初の対策。だがその直後、これらの対策では不充分と考えた政府はIMF に救済求め、IMF の命令により、消費税を更に引き上げ、いろいろな税金の引き上げ、公務員給与引き下げ、年金引き下げ(多くの人々を悲惨に追い込む)の2回目の対策を発表した。労働組合も弱体化が進み、残業、減給、最低賃金の引き下げ、簡単に解雇できる解雇手当引き下げ」と大増税と2度の公務員給与引き下げに追い込まれている。
冷静に見るとこのギリシャの現状は近い将来日本で起きること?ギリシャで行われた2度の公務員給与引き下げも実は民間に比べ高かった給与を民間レベルに下がっただけで、民間企業が払えないような高給を支払うこと自体、国家財政破綻の原因。今日本がすべきことは消費税の引き上げではなく国会議員数、官僚・公務員数の削減と民間の2倍に広がっている公務員給与の引き下げ。消費税引き上げ論の間違いを国民は声を大にして反対意見を主張するのが今回の参議院選挙。

脳トレとクイズ番組はお金と時間を無駄にさせる仕掛け?

2010/07/08

英メディカル・リサーチ・カウウシルの神経科学者エードリアン・オーウェン氏らの研究者グループは「脳トレーニングが全体的な脳の機能を高める効果」全英1万1430人を対象に実施。インターネット上で一般的な質問に答えた被験者との比較でトレーニングの効果を測ったところ、ボランティアの被験者らがゲームをプレーした回数は結果に影響がなく、「脳トレーニングを重ねれば効果が上がる」という仮説は覆された。「何百万人もの人々がこのような脳トレゲームを利用しているが、ゲームを面白くてやっているのなら続ければ良いが、知能の働きを高めるためなら期待外れに終わるだろう。良い本を読んだり、外国語を学ぶ方が、脳トレーニングのゲームにたくさんの時間や金を使うより良いかもしれない」と述べた。また、科学誌「ネーチャー」でも「脳をトレーニングし、認知症を防ぐためのソフトウエアを販売しているものの、これらのソフトの利用者は金を無駄使いしている可能性がある」との研究論文を今年、掲載している。
100年以上前に書かれた「シオンの議定書」という予言書によれば「民衆に事情をさとらせないため、我々はさらにマスレジャーを盛んにする。やがて我らの新聞で芸能、スポーツがもてはやされ、クイズも現れるだろう」と予告。実際100年以上が経過した現在、テレビではまさに「クイズ番組ブーム」。視聴者のなかには「少しでも知識をつけたい」、「少しでも脳を刺激してボケないようにしたい」などの理由からこのクイズ番組を楽しんで見ているのかもしれない。だが、脳機能を高める効果を示さなかった脳トレーニングの研究結果同様、クイズ番組もお金と時間を無駄にさせる仕掛け?そんなお金と時間を無駄にしていることに気付かない国民はあらゆる方法でお金を奪おうとしている国の仕掛けにも全く気付いていないのか?

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